【質問】75歳の母のことで相談します。最近、物忘れが多くなりました。認知症なのでは!? と心配になり、病院の検査を勧めたところ「行かない。まだボケてないわよ!」と、逆ギレされて・・・今後どうしたらいいですか?

母親の言動をしっかり見見守っているからこそ、感じる違和感。
質問者さんは、母親をとても大事に思っていらっしゃいますね。
だからこそ認知症か否か、本当の事を知りたいご様子。

しかし「物忘れが多いから、病院へ行こう」では、あまりにストレート過ぎて、母親のプライドを傷つけてしまいました。
その結果、受診を拒まれてしまった・・・。気まずい雰囲気になったことでしょう。
質問者さんの母親に限らず、病識がない高齢者が多いのも事実。

そこで今回は、どのように病院へ誘うのがベストか。
何科を受診すればよいのか。具体的にどのようなテストが行われるのか、などを解説します。
もし認知症ならば、早期発見・早期治療が鍵になります。
母親が気持ちよく病院へ行きたいと思えるように、うまく導いてください。

 

物忘れ=認知症ではありません

加齢によるただの「物忘れ」と、認知症による「物忘れ」は、性質が違います。
家族はその2つを混同せず、理解を深めることから始めましょう。

一般的に言えば、脳の機能は60歳前後から徐々に低下していき、それに従い判断力や記憶力、適応力なども衰えるため、物忘れも増えていきます。
たとえば、友人と出会ってもとっさに名前を思い出せない、明日の用事(スケジュール)を思い出せない、昨夜の夕食で何を食べたか思い出せない、といったことが起こり始めます。
これは、蓄えた記憶を再生する機能が衰えた結果ですから、自然な老化現象。
つまり、加齢によるただの「物忘れ」です。

一方、認知症による物忘れは、そのこと自体(事象)が脳に残っていません。
先の例でいえば、友人の名前を聞かされてもわからない。
用事があったこと自体を忘れている。
昨夜の夕飯のヒントをもらっても思い出せない、という具合。
その事象がすっかり頭から欠落しています。
これが、認知症による「物忘れ」です。

認知症が進むと、日常生活に支障をきたすようになってきます。
たとえば、調理中だったことを忘れて外出してしまう→料理していたことが頭から抜け落ちてしまい、外出しました。火事になる可能性があります・・・。
友人と会食の予定を入れたが、約束したことを忘れてしまう→約束したこと自体が頭から抜け落ちてしまい、相手をレストランで待たせてしまう。
電話がかかってきて激怒される・・・など。

ご本人に悪気がないため(覚えていないため)、相手が怒れば怒るほど自分を正当化して、キレやすくなったり暴言を吐いたりします。
本当は、悪態をつきたいわけではないのですが・・・。

妄想が出てくる人もいます。
たとえば、買い物バッグに財布が入っていないと「財布を誰かに盗まれた」と言い出すことがあります。
自分で財布を別のバッグに移動させていても、移したこと自体を覚えていないので、身近な人に盗まれたという妄想になるのです。
そこで、一緒に住む家族へ疑惑を向けて、大ゲンカに発展・・・。

とは言え、ご本人も今までと何か違う、おかしい、うまくいかない、と不安を少なからず抱いています。
しかし、自分は大丈夫だ、もうろくしていない、もしくは自分の失敗を指摘されたくないという防御が働き、相手を攻撃してしまうのです。
声を荒げたり、物に当たったり、相手のせいにしたり・・・。
振り回される家族は、たまったものではありません。
親から辛辣な言葉を浴びせられると「いい加減にしてくれ!」と口をきかなくなる家族や、一切の関わりを断つお嫁さんもいるとか。

頭にくる気持ちは理解できますが、そういうときこそクールダウンしましょう。
親は<意地の悪い気持ちなど微塵もない><病気の症状が出ているだけ>なのです。
棘のある言動は、本心ではなく病気がそう言わせているのです。
ですから家族は、親に寄り添う気持ちを持ち、落ち着いて対応することが大切です。
「あなたは大切な親」「いつまでも健康でいてほしい」「不安を感じたときはいつでも声をかけて」という気持ちを伝え続けます。
優しく接してもらえると、認知症の人も穏やかに過ごすことができます。

ところで、加齢によるただの「物忘れ」か、認知症による「物忘れ」かは、医師の判断が必要です。
その他の病気が起因して忘れっぽくなっている場合もありますので、まずは正しい情報(検査結果)を手に入れましょう。
そのためにも、自尊心を傷つけないように病院へ誘ってください。

 

認知症は何科を受診すればいい?

結論から言います。
認知症の疑いを感じて受診する場合は、脳神経外科、神経科、神経内科、老年内科、心療内科、脳外科などです。
また物忘れ外来や、メモリークリニックを標榜している医療機関もOKです。

しかし、ご本人に病識がないのに「認知症の有無を診てもらおう」と誘っては、嫌がられます。
誰でも身に覚えのないことで病院に行きたくはありません。
そこで、スムーズに病院へ行けるようになるには、かかりつけ医の協力を得ましょう。
かかりつけ医とは、親が定期的に通っている病院やクリニックのことです。

たとえば、血圧を下げる薬をお願いしに行ったり、予防接種を受けていたりするところです。
協力を得るとは、相談者だけで担当医を訪ね、医師に親の状況を説明することです。
「認知症の疑いがあるから、適切な医療機関を紹介してほしい」「親は認知症の検査を嫌がっている」と、家族の不安を伝えます。
医師も心得えたもので、親が受診しに来たとき「念のため一度検査しませんか。人間ドッグみたいな感覚で。紹介状を書いておきますね」と、認知症の言葉を一言も使わずにうまく導いてくれます。
親が信頼を寄せている医師ならば「先生が言うなら、一回くらい診てもらってもいいかな」と心を開く可能性が高くなります。

かかりつけ医がない場合は「役所から健康診断のお知らせが届いたよ。一緒に行かない?」と誘うのが良い方法です。
家族全員が検査に行くから、面倒かもしれないけれど一緒に健康診断を受けようよ、という誘い方です。
「認知症の検査」とは言わずに、「家族全員」「健康診断を受けよう」と言うのがポイント。
そして本当に家族で健康診断を受けるのが良策。受診すれば、必ず結果が出ます。
「私は肝臓が黄色信号だ」「私は骨密度が心配だって」「私はBMI値が危険水域」などと結果を話しながら、親の結果を気にします。
「あら、要検査って書いてあるわ」「今度しっかり診てもらいましょうよ」と水を向けながら、認知症関連の専門機関を受診してもらうというわけです。

それでも重い腰をあげない場合は、知り合いの例を話すことも有効です。
たとえば「私の友人の〇〇さんが、親の認知症の検査に行ったんですって。そうしたら脳血管障害が見つかったそうよ。早く見つかったから、すぐ治療ができたんですって」「3丁目の〇〇さん、健康診断に行ったら他の病気が見つかったそうよ。健康診断に行って良かったと言ってたわ」という具合。
折に触れ、見聞きした話を親に紹介しましょう。
人間は自分の事よりも他人事の方が受け入れやすい性質も持っています。
身近な人(親と同年代)のエピソードを話すことで(その時には無関心を装うかもしれませんが)自覚を促すキッカケになります。

それでも、かたくなに受診を拒否し続けるなら、認知症の訪問診療をおこなっている医療を利用する方法もあります。
病院には行きたくないが、訪問なら受け入れられるという人もいます。
地域包括支援センターや民生委員などと連携をとっている病院がありますので、(多くはありませんが)地域にいる訪問専門医を調べてみてください。
認知症の専門医が訪問してくれるメリットとして、住まいの環境を見てもらえることと、同居している家族の支援をしやすいことなどがあります。

 

病院へいくとき、家族が心得ておきたいこと

やっと親が検査を受ける気持ちになってくれた、という解放感から、家族は溜まったうっぷんを医師にアレコレと喋ってしまいがちですが、これはNG。
親の自尊心を傷つけないように、節度を持ってエピソードを伝える姿勢が大切です。
認知症を認定する専門医は、そのあたりを心得ています。
恥と思えるようなことを親の前で家族に聞くことはありません。

しかし、日ごろの様子を具体的に知りたいと思っているのも事実です。
そこで、家族はあらかじめメモをとっておき、渡せるようにしておくと医師に喜ばれます。
必要事項は以下の通り。

  • 最初の異変に気づいたきっかけは?
  • 異変に気づいてから半年の間に変化はあったか(悪化したか?)
  • どのような言動が気になるか(具体的に)
  • 事故や病気など、言動がおかしいと思えるようなキッカケはあったか
  • 持病はあるか。また薬はいつから服用しているか
  • 現在、治療中の病気はあるか
  • 日常生活の中で、家族が困っていることは何か

その他、家族が悩んでいることや疑問に思っている事柄などを書き加えておくといいでしょう。

親が同席していない場所で、医師は家族へ「もし認知症だという結果が出たら、ご本人に伝えますか?」と質問することがあります。
つまり、告知方法を訪ねているのです。告知は、慎重に考えねばいけません。
ショックを与えないために告知しないという方法があります。
これは、伝えても本人が病名を忘れてしまう可能性もあるからです。
告知するメリットとしては、今後の生活について家族で計画を立てられること。
親がどのような老後生活を考えているのか、叶えたい夢はあるのか、行きたい場所はあるのか、といった未来へ向けての会話ができます。

しかし前もって本人が「告知してほしい」と結果を望んでいたとしても、結果を知った途端、現実を受け入れられずパニックに陥る人もいます。
何が正解で何が不正解かはありません。その人の性格や持病の様子、ご本人の考え方や生活歴など、総合的に考えて結論を出すべきです。
認知症は完全に治癒させる治療法や治療薬は、現在のところありません。
従って、ご本人の精神状態に合わせていくのがベストとされています。

 

どのような検査が行われるの?

問診

診察は、問診から始まります。
医師が本人に直接問いかけます。この時、家族も一緒に診察室に入りますが、医師が家族に尋ねてくるまで口出しは禁物です。
というのも、本人の記憶力や話の理解力、また認知能力や心の状態などを探りながらの問診だからです。
医師が聞きたいことは、本人がいなところで改めて聞かれますから、もし親が間違った返答をしていてもスルーしましょう。
また、メモに書いて来たことがあれば、あらかじめ看護師を通して渡しておくと良いでしょう。

身体検査

次は身体検査です。
認知症を引き起こす病気を発症しているか否かを、医療機器を使って検査します。
この検査を行うことで、健康診断に来たと思う高齢者が多いようです。
尿検査、血液検査、内分泌検査(血中ホルモンの測定)、心電図検査、胸部X線写真などを行います。

画像検査

脳の萎縮の状態を把握するとともに、脳梗塞や脳腫瘍などがないかを診るためCT検査やMRI検査を行います。
CTの設備は、中規模異常の医療施設であれば置いておることが多く、MRIより受けやすいといえます。

脳の働きを調べる検査

あまり聞きなれない検査ですが、SPECT検査とPET検査があります。
どちらも脳の働きを調べる検査になります。

SPECT検査は、脳内の血流量が少なくなっている箇所を特定し、認知症かどうかを調べます。
原因疾患までわかるのがSPECT検査の特徴です。
PET検査は、脳のブドウ糖や酸素の代謝状態を見て、脳の状態を調べるというもの。
この検査は、初期のアルツハイマー型認知症や軽度認知症障害の有無を発見しやすいという特徴があります。

神経心理学的検査

これは、知的機能、認知機能、記憶、実行機能などが正常かどうかを判断するために、医師もしくは臨床心理士と1対1で行う検査です。
設問に答えていくだけのテストですが、ご本人が睡眠不足だったり、疲労していたりすると、正しい結果が出ないこともあります。
難聴の人は、聞き取り難さがあることをあらかじめ伝えておけば、対応してくれると思います。
認知症の診断テストはいろいろありますが、主に使われているのは、長谷川式認知症スケール(HDS-R)やMMES(メニメンタルステート検査)です。

長谷川式認知症スケール(HDS-R)

長谷川式認知症スケール(HDS-R)とは、精神科医の長谷川和夫氏によって開発された認知症検査です。
所要時間は10分~15分。
9つの評価項目で、30点満点中、20点以下だと認知症の疑いがあるとされ、点数が低いほど重度であると考えられます。
それでは、設問を見ていきましょう

【設問】長谷川式認知症スケール(HDS-R)

①年齢はいくつですか(2歳までは誤差)
②今日は何年何月何日何曜日ですか?
③今、居る場所はどこですか?(5秒置いて)家、病院、施設ですか?のヒントを与えて正しい選択をする
④これからあげる3つの言葉を言ってみてください(1か2のどちらか)。
この言葉は後で聞きますので覚えていてください。
1 a 桜 b 猫 c電車
2 a 梅 b 犬 c自動車
⑤100から7を順番に引いてください。
(最初の答が不正解だった場合は打ち切る。93からまた7を引く)
⑥これから言う数字を逆から言ってください。
(3桁の逆唱に失敗したら打ち切る。6-8-2、3-5-2-9)
⑦設問④で覚えた言葉をもう一度言ってください。
(自発的に回答、ヒントを与えて回答)
⑧これから品物を5つ見せます。それを隠しますので、何があったか答えてください。
(例/時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨)
⑨知っている野菜の名前をできる限りたくさん言ってください。
(途中で詰まり、10秒待っても出てこない場合は打切る)

【得点計算】

①1点
②年 1点、月 1点、日 1点、曜日 1点で計4点
③自発的な正解は2点、選択肢の中から正解できたら1点
④3つとも答えられたら3点、2つ→2点、1つ→1点
⑤93正解→1点、86正解→加算1点、
⑥3桁の逆唱に正解 1点、4桁の逆唱の再開加算1点
⑦自発的な正解2点、ヒントをもらっての正解1点。1と2全部正解したら計6点
⑧1品正解につき1点 計5点
⑨0個~5個以内 0点、6個→1点、7個→2点、8個→3点、9個→4点、10個以上→5点

 

MMES(メニメンタルステート検査)

MMES(メニメンタルステート検査)は、世界で最も用いられている認知症の検査であり知能検査です。
評価項目は11で、検査時間は10分~15分。
30点満点中、21点以下がどちらかというと認知症の疑いが強い、22点~26点が軽度認知症の疑いあり、27点~30点は異常なし、となっています。
それでは、設問を見ていきましょう

【設問】MMES(メニメンタルステート検査)

①今年は何年ですか?今の季節は何ですか?今日は何曜日ですか?今日は何月ですか?今日は何日ですか?
②ここは何県ですか?何市ですか?ここは何病院ですか?ここは何階ですか?ここは何地方ですか?
③3つの名前を1秒間に1個ずつのペースで3回伝え、その後繰り返してもらう。
3個すべて言えるまで最大6回まで繰り返す。
なお「この単語は後で聞きますから覚えておいてください」と伝える。
④100から7を順番に引き算を行う(最大5回まで)。
⑤先ほど「覚えておいてください」といった3個の物の名前を、言ってもらう。
名前が出てこないときは「動物とか・・・植物とか・・・乗り物とか・・・」といったヒントを出してもOK。
⑥品物を見せながら「これは何ですか?」と、名称の名前を問う。品物は2つ。
⑦1文の復唱を問う。読み上げるのは1度のみ。一文は「みんなで、力を合わせて綱を引きます」
⑧口頭で三段階の指示に従えるかを問う。
「右手にこの紙を持ってください」「それを半分に折りたたんでください」「机の上に置いてください」
⑨「文章を読んでその指示に従ってください」と伝え、紙を渡す。
紙には「眼を閉じなさい」と書いてある。
⑩「何か文章を書いてください」と伝え、紙と鉛筆を渡す。
⑪図形の描写を問う。紙には五角形が2つ書いてあり、それぞれ一つの角が交差している。
その手本を見せて、紙に真似て書く。

【得点計算】

①各1点 計5点 年は西暦でも年号でもよい。季節は春夏秋冬だけでなく梅雨や初夏(初冬)も正当とする。
②各1点 計5点 病院名は通称や略称でも正当とする。
③各単語1つにつき1点 計3点
④1回正解すると1点 最大5点
⑤ヒントの有無に関わらず、正解すれば各1点 計3点
⑥正式名称でなくても通称を言うことができれば正解とする。各11点 計2点
⑦一度で正確に復唱できたら1点。二度言いは禁止。評価は一度限り。
⑧指示ごとに正確に作業できれば各1点 計3点
⑨文章の内容が理解できているかを問う。読みは音読で黙読でも構わない。正解で1点
⑩読み手が理解できる文章であるかがポイント。内容は自由。主語がなくても文章として成立していれば正答とする。
正解は1点。名称しか書いてない場合は不正解とする。
⑪五角形でない場合や、2つが交差していな場合は不正解。正解は1点

 

その他

その他のテストとして、「Mini-Cog」があります。
これは約2分以内に終わる簡単な簡易認知症試験です。
3語の即時再生・遅延再生・時計描画を組み合わせたスクリーニング検査。
多くの医療機関で用いられています。

また「MoCA」は約10分程度の試験です。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識で構成されています。
これは、軽度認知症をスクリーニングする検査で、糖尿病患者の認知機能障害を見出すことが可能とされています。

介護職やコメディカルが施行できる検査として「DASC-21」という、5分~10分で行える試験があります。
21の質問で構成されている認知機能障害と生活機能障害に関連する行動変化を評価するものです。
生活に密着した質問が多いので、認知症の疑いがある方やその家族も理解しやすいスケールになっています。

一般社団法人認知症予防協会が提供している「認知症自己診断テスト」は、セルフチェックを行うことができるテストです。
プリント版はこちら。https://www.ninchi-k.com/print_test.html

問題内容は長谷川式認知症スケールとほとんど変わりませんが、イラストを多く使っているので、気軽な気持ちで行えるかもしれません。
ただし、簡易的なもので、正確ではないと心得てください。
あくまで目安程度に。

さらに、東京都福祉健康局が提供している「とうきょう認知症ナビ」に載っているチェックリストを利用して認知症評価を行うこともできます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/checklist/index.html

簡単な10問に答えるだけですが、認知症の可能性を評価できます。
ただし、医学的診断ではないので、心配な人は必ず専門医に相談しましょう。

 

まとめ

質問者さんは、認知症の検査のアプローチに失敗してしまいましたが、それで終わりではありません。
いろいろアタック方法があるので試してみてください。

なお、家で簡単にできるチェックリストを利用し、まずはクイズ感覚でチャレンジしてもらう方法もいいかと思います。
まだ認知症と決まったわけではありません。
老化による物忘れの可能性もありますから、親の自尊心を傷つけないように誘いましょう。

なお、病院で診てもらい、認知症の判断が出たときのメリットは3つあります。

  1. 抗認知症薬による治療をはじめられる
  2. 介護保険の要介護認定が受けやすくなる
  3. 認知症専門のサービスを受けることができる

ただし、親の気持ちに寄り添って事を進めるのが大前提です。
家族が焦って嘘をついたり、だましたりして病院へ連れていく方法は、信頼関係にヒビが入りかねません。
親の気持ちを深く傷つけますし、お世話も大変になります。
お互いにとって良いことは何もありません。

なお、認知症になったら何もできなくなるとか、異常な言動をとる、といった世間のイメージは間違っています。
確かに感情の起伏は激しくなりますが、わがままを言ってくるのは信頼の証と受け止めましょう。
家族が柔らかな気持ちで親に寄り添い、薬を服用すれば、認知症であっても穏やかな日常を送ることができます。
質問者さんが、するべきことは「あなたは私にとって大切な親」「心配事があったらいつでも相談して」と伝え続けること。
関係性が修復することを願っています!

 

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